地球公論4

「桜の木を切り倒せ」 副執行委員長三浦仁士
       〜ガソリンスタンドユニオンの仲間たちの奮闘に寄せて〜


夜な夜な奴らはやってきて、ポトマック川の桜が切り倒された
ポトマックの桜が、奴らに切り倒された
朝になって枝枝は集められ巨大な幹は転がっている
草木という草木は、しらばっくれて、こっそり目配せをおくっている


地主は一睡もできなくて、案山子をたてた、ここは我々のものだ
案山子は奴らの味方、奴らを案内する目印


夜な夜な奴らはやってきて、ポトマックの桜を切り倒す、
闇の中の闇に、桜の花びらが舞い踊る、
彼の地は瞼を閉じて陶酔し、うなる、歌え、踊れ、桜の木を切り倒し、
花びら舞い踊らせよ


彼の地は、僕らの耳元でささやく、桜の木を切り倒し、
花びら舞い踊らせよ、
水中ではイナが口をパクパク、桜の木を切り倒し、川を潤せ


4月の正午過ぎ、巣穴からでてきたウッドチャックはこっそり
僕らに目配せしている、


彼の地が蜂起の合図をする、桜の木を切り倒せ、ここに地主はいない、
ここはおまえたちのもの、ここはおまえたちのもの、
草木という草木が目配せする、桜の木を切り倒し
花びら舞い踊らせよ、


彼の地は遠方に消えゆき
今度は僕らが目配せする、蜂起の合図だ
草木という草木は伝令をとばす、ポトマックの、桜を切り倒せ
草木という草木が体をゆすり、歌いはじめる、
桜の木を切り倒し花びら舞い躍らせよ




ポトマック川のビーバーは強制退去された
今度は僕らが合図をおくる、桜の木切り倒し花びら舞い踊らせよ


アメリカに贈った、アメリカに贈った、アメリカに贈った、アメリカに、
ポトマックの桜、切り倒し花びら舞い踊らせよ
老木は微笑んだ…目配せした、今度は、今度は僕らが。


(たそがれウッドチャックはタバコの煙燻らせて)



light--4 目次
【巻頭】「桜の木を切り倒せ」 三浦仁士

【講座】「労働者教養講座 アニメーションのつくりかた 2」シライシミチタ

【読物】「零細自営を生きる」江部和秀

    「生かさず殺さず」 ― ポスティングという仕事」渡辺修孝

    「プレカリアートプロレタリア文学−2」 田野新一

ルンペンプロレタリアートは階級上昇の夢を見るか 2」 戦闘的ゴジラ主義者

    「私の労働体験」 雨宮処凛

【告知】「刑事弾圧糾弾!4・12中大包囲デモに参加を!」 大西一平

    「自由と生存のメーデー 08--プレカリアートは増殖/連結する」メーデー実行委員会