プレカリ湯治ver.0 新潟県月岡温泉に行ってきました


1月10〜12日、組合員・賛助会員計4名で、2泊3日でプレカリ湯治に行ってきました。


2008年12月の定例拡大執行委員会で、フリーター労組レクリエーション部の設置が正式に承認されました。今回は準備を民主的に行えなかった(=希望者全員で話し合わず、首謀者の提案した温泉地2つからの選択となってしまった)ため、正式版ではなく、正式版定期開催を目指したプレ企画です。
プレカリ湯治とは、要は勝手にでっちあげた概念ですが、

  1. 往復には青春18きっぷを活用
  2. 温泉は掛け流しの本物
  3. 自炊宿で宿泊費も激安に
  4. できれば貸切風呂が、次善として混浴があるところ

という条件を満たしたプチ湯治です。4番めが一見ナゾですが、セクシャリティ・傷病・彫物その他の理由により別浴大浴場に入れない参加者のためのものです。


今回はそれら条件を考慮して、新潟県月岡温泉に行ってきました。
月岡温泉は非酸性の温泉の中では硫黄分含有量が全国一で、しかももともと油田開発中に見つかった温泉だけあり、表面にはわずかに原油成分が浮かんでいます。硫黄臭に、金気と石油臭が混じった独特の芳香が魅力?ですが、自炊宿が2軒健在で、どちらも湯は循環殺菌なしの掛け流しが、貸切または混浴で楽しめます。今回泊まったほうは宿泊費も2連泊・ふとん浴衣暖房込みで1人1泊3700円と激安。
さらにはJR駅から片道200円のバスが出ており、片道の交通費は18きっぷ1回分+200円=2500円とこちらも激安で、所要時間片道8時間というロングランも含めて、プレ企画という実験にはちょうどよく、予約もぶじ取れて実行できました。

初日は上野駅に朝8時に集合し、移動開始。
高崎線のダイヤ乱れや、上越線車内で目の前にて被救護者発生(車掌さんに連絡し救護処置をしていただきました)などいろいろありましたが、夕方4時にはぶじお宿に到着。

自炊の準備をしてから、交代で貸切風呂に入りました。硫黄分が濃いとはいえ、ほとんどが硫化水素イオンとして溶け込んでいるため、エメラルドグリーンなのです。湯面には油膜が切れ切れになったものが浮かんでいて、ただものでない湯であることがありありと伺えます。
冬なのか湯温は41℃ないくらいで、しかもこの日は炭酸イオンが絶好調で肌触りもつるつるし、やさしく包み込まれるような湯触りについつい長湯してしまいます。

湯のあとは鶏水炊き(博多風ではなく水で炊いてます)で宴。もちろんビールもグラスではなく湯呑み茶碗です。鍋は自炊場から自由に借りられるのが自炊宿スタイル。具材は温泉街のスーパーで調達したもので、大根菜と新発田名物長もやしがよく鶏に合いました。

翌朝はラーメン鍋で炊いた朝ごはん。米は組合員が自宅から持ってきたものです。

さらに昼は雪舞う温泉街をぶらぶら。行列のできてるラーメン屋でチャーシューにびっくりしたり、500円で越後の地酒を5杯試飲できる企画に参加してお宿やお店をめぐったり。大ホテルでもスーパーでもおつまみが出てきてみなさん愛想もよく、ホスピタリティあふれる温泉街に癒されます。

夜はちょっぴり奮発して温泉街のイチオシ居酒屋で宴。サバオニオンという、かなり珍品ですが激ウマーなおつまみで話もはずみます。
さらに宿に帰ってきてみんなで中浴場、やっぱり話がはずみます。

最終日の朝9時半、うしろ髪ひかれるような気分で月岡温泉を後にしました。
途中、新潟駅でさらに奮発して回転寿司に寄って、新潟のおいしいお魚をつまみつつ、都内に帰りついたのは19時。
往復の長時間乗車でも、宿でまったりしても、浴場でも宴でも、これからの労組の活動のイメージからめざす社会のあり方、派遣村や野宿者支援、パレスチナ問題など、いろいろと話し合うことができました。


参加者全員が「次も必ずやろう」と誓い合った今回の企画は成功したといえましょう。
もちろん、「これでも参加費が安くない」「体調からして遠距離すぎ」という声も事前に寄せられています。
いろいろ工夫しながら、今後ともふだんの労働・活動を一時休んでのプレカリ湯治を追求していこうと考えています。(よねざわいずみ