ジャマル、日帝24年の闘いを振り返り 今カナダに旅立つ―日本の難民排除とレイシズム

1990年、ジャマルさんはイランから来日しました。12歳の頃にイラン革命を経験し、独裁宗教政治から逃れ、自由を求めてやってきました。しかし、そうして辿り着いた日本でも、バブル崩壊後に入管当局の摘発が強まり、不法就労助長罪が制定されて、働くことができなくなりました。強まる難民排除と排外主義によって、ジャマルさんの生活は困窮を極めました。

3度にわたる収容を経て、ジャマルさんは、今年2月に中野区に生活保護受給申請を行うも、区はジャマルさんの生活困窮状態の調査を行うことすらなく、無下に却下の通知をよこしてきました。難民申請中の仮放免者であるジャマルさんは、法制度上就労が認められていないにも関わらず、生活保護も受けられない、住居や携帯電話といった生活に不可欠な契約行為も、また病気を患っても医療を受けることもままならないという無権利状態に置かれ続けたのです。このような行政の姿勢は、難民の生存権を認めない人道に反した措置であると言わざるを得ません。

しかし、そうした状況の中でもジャマルさんは友人と語り、天気のいい日は近所を散歩し、煙草をふかし、料理を作り、生きることを喜び、闘いを続けてきました。出身国の死刑制度や独裁宗教政治と対峙しながら、同時に自らの生存をかけて、日本の排外主義、労働闘争を戦ってきました。ジャマルさんの自由への願いと闘いは、私たちの願いと闘いでもあります。

そんな中、ジャマルさんのカナダへの亡命が急遽決定しました。日本政府は1981年の難民条約批准にも関わらず、ジャマルさんの難民としての地位を認めることなく24年もの長きにわたり、ジャマルさんを生活困窮状態に留め置きました。一方でカナダ政府は、ジャマルさんを難民として迎え入れることを決定したのです。

来月、ジャマルさんがカナダに出国する前に、私たちはジャマルさんの日本での思いを聞き、日本の排外主義、難民排除の現状を考えていきたいと思います。また、カナダでの難民受け入れの状況や外国人政策、入管の問題についても話し合っていきたいと思います。

この日はジャマルさんがカナダで生き延びることを祝い、ジャマルさんを送り出したいと思います。ぜひご参加ください。

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■日時: 2014年11月1日(土)18時〜
■場所: フリーター全般労働組合会議室(渋谷区代々木4−29−4 西新宿ミノシマビル2階)
■資料代: 500円
■プログラム:
第1部「ジャマル、日本に亡命して24年間を振り返る」
第2部「日本におけるレイシズム〜日本の近代化と外国人政策」
第3部 交流会(20時頃〜) ※軽食あり。資料代と別に500円頂きます

※本件に関する問合せ先:フリーター全般労働組合 TEL:03−3373−0180