9月16日国会前での不当逮捕事件、被弾圧者解放についての声明

9月16日国会前での不当逮捕事件、被弾圧者解放についての声明

 去る9月16日、国会前で行われた戦争法案に反対する抗議行動において、警察が不当に逮捕、拘束した市民や学生13名は9月25日までに全員を解放することができました。救援連絡センター、連日接見に入って頂いた弁護士の方々、当日の主催団体である「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の皆様、そしてこの間、惜しみない支援とご声援を頂いた多くの皆様に、厚く御礼と心から感謝を申し上げます。
私たち「戦争反対!9・16弾圧 愛宕・高輪救援会」(以下、「愛宕・高輪救援会」)は、警視庁・愛宕署と高輪署に拘束されていた被弾圧者の友人・知人を中心にして、両名の早期解放を求め、救援活動を続けてきました。9月16日に弾圧された13名に対しては、所属組織の有無やこれまでの運動の経緯などの理由により、それぞれ別個に救援活動を展開してきましたが、愛宕・高輪の被弾圧者たちが解放された25日夜には、中央署と品川署にそれぞれ拘束されていた2名の救援会とも合同で、解放を祝う集会を持ち、多くの皆さんとともに解放の喜びを分かち合うことができました。
 9月16日夜、国会前で警察によって行われた弾圧は、法的な根拠に基づかない違法、不当なものです。愛宕、中央、品川に勾留された3名は当日、警官隊とのもみ合いの中で突然、警察によって拘束され殴る蹴るの暴行を加えられた挙句「警官に暴行を加えた」という事実無根の言い掛かりによって10日に渡る不当な拘束を受け、また、怪我を負わされたにも関わらず、満足な治療も受けられない有様でした。さらに高輪署に拘束されていた被弾圧者にあっては、警官隊とのもみ合いの現場にさえおらず、離れた歩道上にいたところを突然、背後から警視庁機動隊や公安刑事らによって拘束されたのです。法的根拠なく市民を不当に拘束するという、文字通りの「拉致監禁」まがいの行為が、警察当局によって衆人環視のもと堂々と行われたことに、私たちは深い憤りと戦慄を覚えます。警察と司法当局は、拘束した人たちに対して「逃亡の恐れ」「証拠隠滅の恐れ」有りと称して10日の勾留を行いましたが、逮捕の理由はおろか「犯罪」の事実さえない中、このような長期にわたる勾留は、憲法18条、36条(奴隷的拘束および苦役の禁止、公務員による拷問の禁止)等に照らして認められないことは、言うまでもありません。さらに警察は、拘束した人たちの関係先や住居に家宅捜索まで行いましたが、本来、現行犯逮捕であるならば、家宅捜索の必要性はありません。これらの行為の目的は「捜査」ではなく、市民の政治行動に対する圧力ないし思想転向の強要を目的にするものであり、断じて許すことができません。一連の警察当局の行為を強く糾弾します。
 違憲の戦争法制成立を強行し、立憲主義を破壊する安倍政権の非民主主義的暴走と呼応するかのような警察と司法当局の暴挙に対して、憲法38条に基づく黙秘権行使や取り調べ拒否などにより果敢に闘った被弾圧者たちとともに、私たち支援も警察への抗議行動や接見などに取り組みました。こうした権力の不当な行為に屈しない闘いが、被弾圧者の市民的自由を守り、また更なる弾圧の拡大を未然に防止するものであると、私たちは考えます。今後も警察や司法当局による市民への不当な逮捕や虐待に対しては、毅然とした闘いを続けるべきであることを、皆さんに訴えます。また、25日解放された6名については、検察当局による起訴を許さない取り組みも重要です。皆様の引き続いてのご支援、ご注目を心よりお願いします。
 戦争法案成立と前後し、沖縄・辺野古での米軍新基地建設強行阻止の闘いへの弾圧も一層激しくなっており、逮捕され10日の勾留がなされてしまった市民もいます。9・16の弾圧と軌を一にした日本政府の暴挙を、私たちは許すことができません。今回不当な弾圧を受けた当該、そして救援活動に携わった私たちは、自民・公明党政権による戦争法成立強行に対する全社会的な怒りを共有し、憲法破壊を許さない、日米安保廃棄と沖縄の米軍基地撤去、そして安倍政権退陣への闘いにこれからも参加、連帯していきます。ともに闘いを続けていきましょう。

以上

2015年9月27日
戦争反対!9・16弾圧 愛宕・高輪救援会