生きることは「迷惑」なのか!?

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「安全安心まちづくり都条例」が改悪された東京で。
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 いい場所なんですけどね。ずっとここでやってきたんです。仲間も来やすいし、 ファンもついて来てくれているのに。楽しみにしてくれる人は多いんですよ。カネだしてハコ借りろって言うんですけど、うちらみたいなのじゃ厳しいです。バイトしてるんですけどね、まあ半年に一回がいいとこです。
 迷惑っていうけど、こんだけ人がいるのにみんな買い物目当てってわけないじゃないですか。いろんなことあるからここ来るわけでしょ。カネがかかることだけやらせようって方が異常。
 でも警察が出てくるととたんにみんな無関心って気持ち悪くないですか?ベース引っ張られちゃったしなあ。保釈とか金かかるんですよね。 (27歳/池袋)

 彼の意識はまだ戻らない。
 3年前の夜、この商店街の入口で彼は信号無視のトラックにひき逃げされた。いまご家族を中心に手がかりを探している。週に一度、商店街の入り口にパネルを立て、目撃者を探すチラシをまく。先月から僕も手伝うようになった。
 今日、商店街の会長さんが警察官とやってきた。「ビラまきは迷惑だからやめてもらえないか」とのこと。条例で決まっているのだそうだ。気持ちはわかるが警察に任せなさい、他の皆さんにも遠慮してもらっている、事故のことを言われ続けると商店街としても迷惑だ、そんなことを言われた。
 大音量の呼び込みにかき消されながらも続けた僕らの訴えが「街の秩序を乱す行為」とされたのだ。(20歳/秋葉原

 あまりに突然でした。3人組の警察官に腕をとられ、駅前の交番に引きずり込まれました。逃げるとか思いつきもしなかった。叫ぶことも助けを求めるこ

ともなにもかもができなかった。それが本当に自分に起きていることなのか、それすら分からなかったことを思い出していまも嘔吐します。
 友人に相談しました。そのひとは泣いてくれた。でもそれ以上は。
 私の存在は迷惑だから。信用されるのは「街の秩序」を守る普通のひとたちだから。それ以上は。(17歳/錦糸町

 いつもイラついている店長に口ごたえして彼女はクビ。「お前に払う金なんかない」「いるだけで店は損害だ。賠償しろ」とまで言われて私物を放り出されたんですよ。
 こんなの理不尽じゃないですか。働いた分はせめてよこせよ、ふざけるなってことですよ。そんで彼女と一緒に労働組合で交渉しようってことなんです。店の入口で申し入れ書を読み上げるんですけどね。あまり時間はないです。角にオマワリが数人見えるでしょ。「街の秩序を乱す行為」として引っ張られたらかなわないですから。 (32歳/六本木)

 よくやってくれてると思うよ。
 ここ見回りきついからさ。
 寝るのもひと苦労なんだけど、ネットカフェ行く金もないしね。
 支援の人、NPOのひとだろ?
 またパクられちゃったね。
 「安全・安心条例」
 ただ豚汁くばるだけなのに。
 あれないと死んじゃうのにね。 (56歳/新宿)

 「安全・安心まちづくり都条例」の改定案が27日に都議会を通過し、4月1日から施行されようとしている。今回の改定は、繁華街への来訪者を含む「事業者等」に「繁華街等の安全・安心を確保するために必要な措置を講ずる」努力義務を課すものだ。そして何を規制対象とするかは地域住民と事業者、警察などで構成する「協議会」が作成する指針に白紙委任される。
 この改定が通れば、規制されるのは街頭のパフォーマーだけではない。不当解雇や賃金未払いを続ける事業者(!)に労働組合が取り組んできた社前での宣伝や署名活動、チラシ配りなども規制される。野宿で暮らす人々の命をつなぐ炊き出しも迷惑とされて規制される。「京品ホテル争議」や「派遣村」のような取り組みもたちどころにこの条例違反になる。
 この条例の改定は、相互監視をあおることで安全・安心を金持ちや権力者にだけ保障するものだ。金や権力を持つものが行なう不法・不正 は見逃され、それを持たないものの表現が犯罪化される。人々の心に不安と不信を植え付ける今回の条例改悪をやめさせなければならない。3月27日(金)11時から都議会に向けた抗議を行なう。都庁前広場に集まって欲しい。

 都議会抗議行動
 3月27日(金)11時 都庁前広場へ

自由と生存の家サポーターズクラブ


本日、自由と生存の家実行委員会委員2名で自由と生存の家サポーターズクラブの応援要請のため大田区にある城南福祉医療協会を訪問しました。http://othp.c-pronet.jp/

 応対には土井専務理事が出てきてくださり、自由と生存の家の設立経過から趣旨について説明させて頂きました。大田区では97年には約10,000社あった地場の会社が現在では4,000社にまで減り、それでも仕事が無いと生存の瀬戸際に追い込まれる経営者・労働者が続出しているとのことでした。先日、協会が実施した蒲田駅前の路上相談会にも100件の相談が寄せられ、実施した側もただならぬ事態が進行していることを実感したそうです。

 私たちからも派遣切りで起きている事例などを説明させて頂きましたが、意見交換を通じて、組合と医療機関と互いに立場は違えど、今の事態はこれまでとは全く違った状況に入ったという点で認識が一致しました。

 協会では5月より無料低額診療の認可(都内には他にも同様の事業を行う医療機関があるということでリストも頂きました)を受けるとのことで、不安定な生活を送る仲間にとって力強い味方が生まれました。サポーターズクラブや寄付についても法人内で呼びかけをしていただけことになりました。更に、早速何人かの方が加入して頂けるなどいつもの組合まわりとは違ってちょっと緊張した訪問活動でしたが、大変有意義な要請行動となりました。

 みなさん、サポーターズクラブにぜひご加入ください。説明が必要な場合は、こちらからおうかがいさせていただきます。ご支援、ご協力よろしくお願いいたします。

                                自由と生存の家実行委員会