責:弦 (gen AT iloha. NET)


 昨年IWW(世界産業労働者同盟)の組合員数人がフリーター労組を訪問してくれた。反G8の流れで行動を共にした。数々の出会いと連帯が続くなかで、今後も関係を大切にしたい。

 彼女らは、これまでも職場の過半数獲得にこだわらず、直接行動と独自のメディアキャンペーンで争議を起こしてきた。そして、今回も。

*原文中のCallous layoffは解雇でさえなく、最近日本でも増加しているいわゆる「ロックアウト」型退職強要と考えられる。


大手広告代理店MPGとの闘い−NYC

http://wobblycity.org/current/news_letter.cgi より翻訳転載 原文:ダイアン・クラウタマー

 6月17日、水曜日。この日、世界産業労働者同盟(IWW)ニューヨーク支部のメンバーは、アバス社(Havas) のMedia Planning Group(MPG)に対して抗議行動を行った。大手広告代理店MPG社の顧客は、世界有数の大企業を含む。最近同社は、米国法人の従業員の11パーセントに相当する労働者を理由もなく解雇した。だが元従業員が、これらの反労働者的な行為を宣伝するとは予想していなかった。

 ニューヨーク本社勤めのジョセフ・サンチェス氏は、首切りにあった一人であり、IWWの組合員である。「この会社は、非常に大きな黒字を出している。ただ会社のポケットに余分に金を入れるために、自分は解雇されたんだ。」サンチェス氏は、顧客会計部門に務めていた。「今は生存可能な賃金どころか、失業手当と食料券で何とかしのいでいる。」
(グラフィック:iww.org)

 この日は、十人以上の組合員がマンハッタンのイーストビレッジ地区に集まり、Kmart Astor Place店舗にてビラ捲きを行った。Kmartや百貨店Searsの親会社Sears Holdingsは、MPG社最大の顧客であり、2008年度は5億9000万ドルの宣伝費を支払っている。当日の行動は、正当な退職パッケージが交渉されるまで、MPGとの広告取引をやめるようKmartにプレッシャーをかけるためであった。

 MPGは、4月1日付で現地法人の従業員460名中、ニューヨーク、ボストン、シカゴ各地合わせて50人近くを解雇した。会長のShaun Holidayは、業界誌Media PlannerBuyerにおいて、「収益性の高い部門を残し、事業を縮小するのではない。逆に今後の成長を求め、更なる資源を投入するため」と述べている。


 2008年度には、親会社のアバス社(Havas)−その規模は通信・広告業界において世界で六番目―は25パーセントも収益を伸ばしている。今年度は、既にVirgin Mobile社(広告予算1500−2000万ドル)やCBS Films社(広告費用1000万ドル)と広告代理店契約を交わしている。

 MPGは、富を有するにも関わらず、労働者には退職パッケージとしてわずか四週間の給与を渡したにすぎない。サンチェス氏は、「四週間では、新しい職は見つからない」という。また、受取の際に要求された「退職同意書」
(写真:wobblycity.org/current/news_letter.cgi)    は、元従業員は訴訟の対象となりうるが、彼女彼らは会社を「いかなる意味でも侮辱しない」ことを約束させる項目を含む。それでは、労働者の受けた侮辱はどうなるのか? 

 元従業員は今、会社に対して正当な報酬を要求する。IWWは、引き続きMPGが交渉に応じるまで同社との宣伝を止めるようKmartに呼びかける。


組合は、顧客向けのウェブサイト、同社ソーシャルネットワーキングサイト(Facebook,Myspace,Youtube)に抗議を寄せるように呼びかけている。詳しくは、上記IWW-NYCニュースレター参照。