最近の相談内容と対処方法

こんにちは。
賃労働頑張っていますか?

F労で取り扱っている労働問題は最近続々と解決しています。しかし、相談件数も増えています。

ITユニオンが結成された影響でしょうか?IT関係の仕事をしている方からの相談が増えました。IT関係は「残業代未払い」と「パワハラ」がすごく多いですね。

泣き寝入りすることなく、どんどん相談に来て欲しいと思います。


【労働問題Q&A】


給料を支払ってもらえず大変困っています。このままでは生活出来ません。労働基準監督署を利用して払ってもらうように指導してもらえますか?


はい。もちろんです。給料不払いは犯罪です。労働基準法104条(給与不払を労基署へ申告できる)というのがあります。違法行為を通告して調査や勧告をしてもらいましょう。

会社は従業員に対して給料を払うという民事責任が生じ、国に対しては労基法違反により処罰されるという刑事責任が生じます。労基法違反を取り締まるのは、警察署ではなく労働基準監督署です。
労基署は、犯罪の通告を受けると調査や勧告・命令を行い、悪質な場合は刑事裁判を起こしてくれます。
それが経営者・会社への圧力となり、給与が支払われることがあります。
泣き寝入りせず、労基署に相談しましょう。


そうなんですか。でも会社は不況を理由に、給料を払わないんです。どうしたらいいのか…


まずは証拠確保をしましょう。そして給与の請求をしましょう。その後は労働組合に入り団体交渉をしましょう。それでも駄目なら法的手続です!

企業の経営状態や不払の理由に応じた対処法がありますがまずは、給与明細、会社の給与に関する規程(就業規則など)、タイムカードなどや会社の入退室の記録など入手しましょう。
ご自身で出来るものとしては給与の請求書を送るということです。それでも払わない場合は労働組合に加入して、会社と団体交渉するのが良いでしょう。


会社が倒産するから給与は支払えないと言われた。諦めるしかないの?


給料は「労働債権」と言い、倒産の場合でも他の取引先への支払金より優先して支払を受ける権利があります。

経営者に支払いを求めても解決しない場合は、差押え(民法308条)や強制執行ができます。
破産や会社更生法の手続がとられた場合も、破産手続が終了するより前に給与の一部を支払うよう求めましょう。(破産法101条1項)
労働基準監督署で、「未払賃金の立替え払い制度」の申込みをすることもできます。(賃金確保法7条(倒産時の賃金立替払い制度))

※請求が困難な場合もあります。



ファミレスで店長をしています。しかし会社からは「君は管理職だから残業代は出ない」と言われました。そうなの?


労働基準法は、「残業代は25%増で支払う」と義務付けています。
例外として、「管理者・監督者」には残業代を支払わなくてよいと決められています。

しかし、これに該当するのは実質的に「経営者と一体的立場にある者」です。
職務上の権限や職務内容、勤務時間を自分で自由に設定できる・特別な賃金体系・高い報酬などいろいろな判断要素から、経営者と同一視できる立場の人には残業代は出ません。

ファミレスなどの「店長」の大部分は、「管理者・監督者」に該当しません。
管理職だから残業代は出ないというのは間違っています。

平成20年に東京地裁で「マクドナルド店長は残業代を請求できる」という判決が出ています。



残業代を請求したら、「勝手に残業したんだろ?残業代は出さん!」と言われた。納得が行かない!

明確な残業指示がなくても、経営者側が時間外労働の事実を認識していた場合には、暗黙のうちに残業指示をしていたと扱われます(黙示の残業指示)。
ある特定日の残業は知らなかったとしても、日常的に残業をしている実態を知りながら黙認していたならば、その特定日にも残業指示があったと同様に扱われます。

残業代を請求しましょう!



雇用保険に入ってないことが判明しました…
失業給付はもらえないのでしょうか?

Aそんなことはありません。ハローワークで手続をしましょう。

退職して失業給付を受け取るには、雇用保険に入っていることが必要です。
一人でも従業員を雇う事業所には、必ず雇用保険が適用されます。
経営者が雇用保険の加入手続をしていなくても、雇用保険は適用されているのです。
つまり、経営者は「雇用保険に入っていない」のではなく、「雇用保険料を払っていない」のです。
退職したら、ハローワークに行って、「自分が雇用保険の被保険者である」と認定してもらいましょう。ハローワークから離職票を受け取って、失業給付を受けられます。

そして会社側は、過去にさかのぼって雇用保険料を支払うよう命じられるのです。(遡及加入)

それから経営者が雇用保険手続をしない場合は懲役6ヶ月になります。(雇用保険法の7条・83条違反)



会社が私に「君はミスをしたから減給!」と言いました。ビックリ!30%の減給処分みたいです。許されるのですか?



違法です。
法律で認められる減給は10%以内です。

減給などの懲戒処分は、?@処分理由が明確
?A処分内容が就業規則で明示されている
?B処分の重さが法律の範囲内である必要があります。

減給は、どんな理由であっても
「処分1回あたり給料の0.5日分以内」
「複数の処分があっても、合計で1カ月あたり10%以内」
しか認められません。

何故、減給処分に制限があるのか?
それは給料が従業員にとって唯一の生活の糧だからです。



有給休暇を申請したら、「こんなに忙しいのに有給休暇取るの?非常識な!無理だよ。ムリムリ」と言われた。無理なの?


会社が忙しいという理由で有給休暇を認めないのは違法です。(労働基準法39条4項)

有給休暇は、経営者に承認してもらう必要はなく、従業員の希望どおりに休める制度です。
例外的に、事業の運営に支障が生じるような場合には、別の日に休むよう指示することができます。
しかし、これは当該従業員が休むと店舗閉鎖や操業停止など「事業に支障」が生じる場合だけです。
業務繁忙や人員不足という理由では、経営者が休暇日を変更させることはできません。


まだまだQ&Aはありますが今日はここまで。

フリーター全般労働組合では毎週月曜日の19時〜22時、土曜日の11時〜15時で労働問題ホットラインを開設しています。(祝日はおやすみです)

お気軽にお電話下さい。


電話
03−3373−0180