9.19-20 トヨタ愛知本社行動・バスツアー

「フィリピントヨタ労組を支援する会」の主催する愛知行動ツアーは、朝早く横浜からバスで出発し、午後には名古屋に到着した。バスを降りたら、トヨタの建てたいかにも威圧的なビルの前で先着組が陣を張っていて、名古屋ふれあいユニオンの酒井さんが声高にアピールをしていた。この地での活動を通して実感されるにいたった、トヨタの多層的な暴力に対する怒りがストレートに伝わってくる。つまりブラジル人非正規労働者とその後に更に悪条件で働きに来る外国人研修生の問題とトヨタの海外工場TMPでの暴挙は、繋がっている。そして、TMPCWAのエド委員長と最近不当解雇されたウェイ二―副委員長が続いた。シンプルな言葉で紡ぎだされる彼らのアピールは、力強い歌のように中央通りに響き渡った。そして、単組の枠を超えて、多数の組合が結集するときの熱気があたりを覆い尽くしていた。フリーター労組の有志も、もちろん横断幕を広げた。



 夕方は、トヨタ市内の会場でTMPCWAを迎えて、歓迎交流集会が開催された。TMPCWAからは、最近の四名の解雇が、いかに会社側のフレームアップであったか、TMPCWAは配置転換について班長に問い合わせたという正当な組合活動を行っていたに過ぎず、ラインを止めたり物を破損したという事実はないことなどが詳しく説明された。労働雇用省とTMPCWAが接近しつつあり、十年前の233名の不当解雇の件を解決する方向で話を進めていた矢先に起きたことであることも触れられた。
 各団体からは、労働者としての連帯を強調し、より広い関係の中でこの問題をとらえる立場が多く表明された。「労働者魂をきちっと持って闘っているフィリピントヨタ労組に敬意を示す」、「日本国内より、海外において資本の暴虐さが最も露骨に現れている、最後まで連帯する」、「大きな組合はそういうところに目を向けず、自分の所の権利しか守らない。それでは、日本でも世界でも運動は綻びていく」、「国鉄闘争は23年かかって解決を観た、この問題も間違っているといいつづける限り解決できる」、「足元での外国人労働者との連帯、反原発、平和の問題とともに取り組んでいきたい」「トヨタが作る220ヘクタールのテストコースは、環境に大きな影響を与える。自然保護連盟、野鳥の会などがそれなりの交渉をトヨタと持っているが、森林経営の後継者がいなかったり、地域づくりをしていく動きが出てこない」。共同代表の飯野によるフリーター労組の活動の紹介や、TMPCWAへのアピールもあった。
 

翌日は、早朝5:30に宿を出て、トヨタ本社工場の各門にてビラまき情宣を行った。その後は、申入れが行われた。トヨタ社側の責任者が確定するなど、多少の進展があったようだ。エド委員長は、宣伝カーからアピールする最中に、工場で働く方が立ち止まり、拳を振り上げてエールを送ってくれたことに何よりも励まされたという。
来年までの解決を皆が望んでいる。参加された皆様、お疲れ様でした。