*飲食店で働くということ。

            飲食店で働くというコト。

 アタシは、とある飲食店の副店長。「店長候補」として入社して、3年が経つ。
 飲食店をはじめ、スーパー、コンビニ、ホテルなどのサービス業には、共通する過酷な労働環境がある。それによって、心身のバランスを崩して退社に追い込まれたり、過労死や過労自殺に至るケースも少なくない。
 サービス業の実態。それを、飲食店で働くアタシの目カラ素直に綴る。

「長い営業時間と長い勤務時間」

 昨今のサービス業は、24時間営業が当たり前。それは、従業員の過酷な労働で支えられている。
 アタシの働くお店の場合、営業時間は7時〜11時、準備や片付けは前後30分。でも、実際準備が終わらせられない、片付けが終わらないということであれば、無給で残業する。
 3年前の年明け、2日連続で6時過ぎ〜11時半過ぎまで、店長とずっと2人きりだったコトがあった。15時間の立ち仕事。終電で帰って、早朝に家を出る。
 2年前の年末、お店を閉めた次の日にお店を開ける日が結構あって、お店の前の漫画喫茶の常連になってしまった。月に何日も、深夜パック1000円ちょっとを支払う。シャワーを浴びればさらに250円かかる。まだ店長になってないアタシの給料では、結構イタイ。けど、家に帰ったら、ほとんど睡眠がとれないから、そうするしかなかった。ほんと、バカみたいだと思った。

「休憩中も気が休まらない」

 休憩中は休憩モードで、休憩らしく休憩したい。けど、そうはいかない。
 店長がいない時、トラブルが起これば、呼ばれる。アタシは、休憩中は寝ていたい人なんだけど、しょっちゅう呼ばれるカラ、そうもいかない。
 休憩中、コンビニに行こうと売り場を出る時、カスタマーファーストは忘れない。常連様が来店されれば、話かけられたり、気を遣ったり、これが毎日だと結構辛い。
 トイレすら、ゆっくり行けない。トイレはお客様と同じ場所を使う。お客様には、従業員だとすぐにわかるから、お客様を先にお通しする。自分の後にお客様が待っていれば「申し訳ございません。」と言う。
 この積み重ね、繰り返していると、キツイ。

「いつも人数はギリギリ、熱があっても休めない」
 
 2年前の秋、勤務中突然高熱がでた。フラフラになりながら、閉店まで働いて、深夜外来に行く。39℃以上の高熱だった。店長に連絡したけど、次の日の勤務を予定を3時間遅らせてくれたものの、有給休暇で休むなどは提案されなかった。
 15時〜閉店で熱のまま働く、ほんと、何やってんだ。
 この話には続きがある。翌々日、店長に呼び出された。熱で無理に働いたことを謝ってくれるのかなと思った。けど、違った。スーツで出勤しなかったことを注意されたのだった。アタシの会社は、お店に来てすぐ制服に着替えるにも関わらず、スーツで出勤しなければいけないことになっているカラだ。このルールをやぶったことはなかったけど、この日は薬を飲んでシャワーを浴びてGパンにパーカーでギリギリまで横になってそのまま家を出たのだ。だって、カラダが辛かったカラ。
「ありがとう」も「無理させてごめんね」も言われなかった。この日のことを思い出すと、今でも涙が出る。この悔しさは一生忘れない。

 まだ、続きがあるんだけど、とりあえず今日はここまで。